煩悩フレンズ

腐レンズ搭載坊主がざっくりぐだぐだ書くよ

第4回 「死ぬこと」に苦しむBL

「四苦八苦」のヲタク的美味しさを腐女子視点で味わっていこう第四回


はじめの「四苦」として挙げられる「生・老・病・死」の最後にあたります。
今回は「死」に関する苦しみ「死苦」を。


生きていれば必ず死は訪れます。それを恐れるこころも「死苦」ですし、
命を終える瞬間の苦しみも「死苦」です。


普通に健康な生活を送りながら「死ぬのこわいなー」と常々思っています、という方は少ないでしょう。
災害だったり、事故だったり、また自分あるいは家族の病や死に直面したときにこそ抱く感覚なのかなと思います。


「老」はじわじわと寄ってくる苦です。
「病」にも、何かしらの予兆はあるでしょう。

ですがこの「死」だけは、いつ訪れるかわかりません。

こうしてつらつら書いている私も、数時間後にはこの世に居ないかもしれない。
(なので投稿を予約してみました)


「死」は、いつでも、誰にでも、起こりうる。
老いているからとか、若いからとか、順番が決まっているものではありません。

その恐ろしさを「苦」といわずして、何と表現しますか。


「死苦」もまた、生への「執着」です。
生きているほうがいいと思うからこそ、死んでしまうことが恐ろしいんです。

たとえ自ら死を望んだ人であっても、絶命の瞬間には苦しみを味わうのだと思います。


「死苦」は誰にでも必ず訪れる、逃れようのない苦しみですから。


その死とどう向き合うかについては、各々のご宗旨によると思います。
私が書くと限定的な話になってしまうので、今回は割愛します。



さて、
その死苦をふまえての、創作の話を。


二次創作界隈では「死ネタ」として古くから扱われているかと思います。

原作ですでに亡くなっているキャラクターを扱うにしろ
今まさにピンピンしてるキャラクターを何らかの理由でそうするにしろ

「死」というデリケートな問題が絡むので、好みが分かれるところです。


・自分の死を恐れる/嘆く

・パートナーの死を恐れる/嘆く

・復讐などで死の苦しみを与える

(・死者の残像に苛まれる)


などが死苦絡みのものになるでしょうか。
また、

・叶わない思いに死をもって抗議する
・死後や来世に願いを託して命を断つ

的なものは、「死」を扱ってはいますが分類的に「生苦」のほうかなと思います。


いやまあ、

「これは生苦作品です!」
「こちらは死苦作品です!」

なんてマニアックな注意書きはしないと思うので、全然いいんですが。
ただ私がちょっと気にしただけです。
(大体「死にネタです」とかですよね……)


死は「尊い」のか、「悲しい」のか、「恐ろしい」のか。
書き手さんの描き方によって作品の色も違ってくるかと思います。




さて、
「四苦八苦」の「四苦」を4記事に渡って垂れ流してきましたが、ここで一区切り。

自分が腐っているので一応『~~に苦しむBL』と題してきましたが、べつにBLじゃなくても全然いいような……


後半の4つは雰囲気変わって
愛別離苦」(あいべつりく)
「怨憎会苦」(おんぞうえく)
「求不得苦」(ぐふとくく)
五蘊盛苦」(ごうんじょうく)
と、四字熟語(しかも読みにくい)になります。


私の! 本番は! ここから!!!
記事を書くに至ったツイッターでも、ここからの4つを喋っていたので。

ここからはゆっくり書いていきます。

第3回 「病」に苦しむBL

「四苦八苦」のヲタク的美味しさを腐女子視点で味わっていこう第三回


今回は「病」を患う苦しみ「病苦」です。


この記事が一番短く終わるんじゃないかなっていうくらい、
最早何の説明も要らないレベルで「病」は「苦」です。

どんなに裕福でも、家族や環境に恵まれていても、
病にかかってしまったときのマイナス感ったらないです。

どんなにお金を積んでも
どんな名医を頼っても
治らないときは治りません。

「老」や「死」と同じく、
生きている限り逃れられないのが「病苦」です。

肉体的な苦痛だけでなく、病に対する精神的な苦痛や不安感もここに含まれます。



その「病苦」が、キャラクターを美しく見せたり、狂わせたりと、
創作的に見るとなかなか良い仕事をする要素になるんですよね…

苦によって引き立てられるものがある。
「四苦八苦」すべての記事に言えることですが、なかなか皮肉なものです。



病を患っている系男子(…)といえば、もうこの人しか浮かびませんでした。
新選組沖田総司

あとはマニアックなところしか出てこないです。
シンケンジャーのはぐれ外道・腑破十臓(の過去)とか。
仮面ライダー THE NEXT の2号(※わりと派手に吐血する)とか。


出てきたのがみんな大人しく病人してるタイプじゃないのでアレなんですが、
病の床に伏しているキャラクターの儚さを美しいと感じることも少なくはないと思います。

余命○ヵ月の~的な物語が好まれるのも、
病の苦(や命の儚さ)が愛をより綺麗に見せるからでしょう。


そして私見ですが
めっちゃいい奴、大体病気抱えてる問題。
わりとあると思います。

病がもたらす薄幸感って何なんでしょうねあれ。

テニプリ立海大附属・幸村精市の初登場時にも、正直そんな印象を受けたんですよ。
わりとすぐに真田を手のひらで転がしてる人認定してしまいましたが。
(それでも真幸なのは譲りません)



私情はさておき、「病苦」とBLです。


不治の病に寄り添うカップリングでもいいです。

大病を一緒に乗り越える夫婦のようなカップリングもいいです。

毎日×××しなきゃ●●しちゃう!
みたいなご褒美系の病に冒されたカップリングでもいいです。


最後のは、はたして「苦」なのか? と自分で言っといて疑問ではありますが、
まあ一応ビョーキなので「病苦」に分類しておきましょう。

×××できなきゃ苦しいもん。多分。



「病苦」もなかなか選択ルートの多い「苦」なんじゃないかなと思います。

第2回 「老いること」に苦しむBL

「四苦八苦」のヲタク的美味しさを腐女子視点で味わっていこう第二回

「生・老・病・死」と簡単にまとめられているのを、あえて分割していきます。
(単に話をまとめるのが下手なだけですまない…)


今回は「老いること」の苦しみ「老苦」です。


人はこの世に生まれた瞬間から「老いる」ことをはじめ、「死」へと向かっていきます。
命あるものとして生まれてしまったら「死」は避けられず、その過程として「老」は必ず起こります。


「老いること」を「苦しい」と感じる。

そこにあるのは「生」や「若さ」への「執着」です。
仏教的には(しゅうじゃく)と読みますが、意味合いは一般的な執着と同じでいいです。


生きているほうがいい。
若々しくあるほうがいい。

そちらのほうが優れている。


そう思うから、自身が衰えてゆく「老い」を「苦しい」と感じるんですね。



私もそこそこの年齢なので、頭の天辺から足の爪先まで燃料タンクみたいな我が子と遊んでいると衰えを感じます。
こんなんで小学校の運動会(主に親子競技)を乗り切れるのか、今から不安で仕方ない。

洗顔後のニベア青缶ガッテン塗りとかダメ絶対。ちゃんと化粧水しよう。
ハンドクリーム塗っても塗っても潤いがすぐ失せる。
実は最近、紙捲るのにちょっと難儀してる。この前コピー本作るとき改めて凹んだ。

ああ、言ってて悲しくなってきた。

老いるのつれーな。つれーよ……


マジで苦だわこれ。



「老い」をテーマに何か例を、と考えてみたのですが、やっぱり引き出しが……。
しばらく悩んで捻り出したのが

鋼の錬金術師ホーエンハイム

彼は「周り人の老いや死を見送る側」だったので、自分自身の問題ではないため本来の「老苦」の理解からは外れますが。
自身の不老不死を求めていたので、鋼ならクセルクセス王やシン国皇帝のほうが合ってますね。


「老」を「苦」として捉える。という点だけに注目して言えば、


・自分が老いるのが苦しい、主観的な「老」

・相手が老いるのが苦しい、客観的な「老」


どちらもネタとして大変に美味しいです。
ホーエンハイムを引っ張り出したことで後者もネタとして挙げられることに気付いたので、結果オーライ。


若者と恋に落ちたおじさんが、諸々で体力的な衰えを感じて思い悩むのもよし。
(おじさんかわいい)

AIなどの人工物と人間、神や妖と人間……のような、片方が老いない系でもよし。
(異種族おいしい)

愛する者と同じように老いて同じように朽ちていけない、というのも切ないですね。


亡くなった友人の写真を見つめながら

「お前はいつまでも若いままだな……」

などと話しかける、そんな片方の時間が止まっている系も私は大好きです。
(尚、某マスタング大佐で再生したことをご報告しておきます)



素敵に年齢を重ねたイケオジが、実は自分の衰えにコンプレックスを抱いているのとか……萌えません?
(おじさんかわいい)(二回目)

最近自分の推しが若い子×おじさんの歳の差カップリングなので、老いネタ推したくて仕方ないんです今。
(ただしうちの推しはイケオジではない)(どちらかというとダメンズ

第1回 「生きること」に苦しむBL

「四苦八苦」のヲタク的美味しさを腐女子視点で味わっていこう第一回

前記事でも引用しましたGoogle検索で出てくる説明

《名・ス自》非常な苦しみ。また、あらゆる苦しみ。仏教で、生(しょう)・老・病・死の四苦に、愛別離苦・怨憎会(おんぞうえ)苦・求不得(ぐふとく)苦・五陰盛(ごおんじょう)苦の四苦を加えた言葉。
の通り、トップバッターは「(しょう)」です。


「老・病・死」は、私たちを苦しめるものとして理解しやすいかと思いますが
「生きること」が「苦」である、とは……? ってなりますね。


生きることは煩悩と直結しています。
生=煩悩と言ってもいい。


ああしたい、こうしたい、こうなりたい。
人間の生は常に色んな願望とともにあるものですが、
はたしてどれだけの人が「望んだ通りの人生」を歩めているでしょうか。

思い描いた通りの人生を歩むスーパー勝ち組……
そんな奴おらんやろ。
超絶勝ち組に見えるスーパーイケオジ(あっ すみません個人的な好みが)でも、何かしらのアレを抱えているものです。


自分自身のことだけでも思い通りにならないのに、
そこへ他人まで絡んでくるんだから。
人生、思い描いた通りになんざなるわけないんです。


生きていれば煩悩(=何かしらの願望や欲求)は必ず起こる。
それが思い通りにならない。だから苦しい。

ざっくり言うと、それが「生苦」ですね。



極端な例をあげて、自分という存在が異質であると認識しているキャラクターが居るとします。

周りと「同じ」でないことに疎外感を抱き、「生きにくい」と感じていることでしょう。
その思いを抱えたまま生きることで、性格なり常識なり善悪なりが歪んでしまうこともあるでしょう。


引き出しが少ないのでアレなんですが、
PSYCHO-PASS槙島聖護とかが大体そんな感じなんじゃないかなーと思います。
(解釈違いがあったらすまない…)

ノイタミナ放送当時、狡噛と槙島のあのラストを見て私は思いました。


>>> 理想の生苦エンド <<<



ヒロアカの爆豪勝己みたいな子に「生きにくさ」を見出だすのもいい。
ただの好みの暴露になってますが、るろ剣の志々雄真実とかも生苦を見る対象としては大変美味しいです。

よくよく考えてみたら、大抵の主人公やラスボス級の悪役って「異質」な何かを持ってることが多いんですよね。
なのでそこを「生きにくさ」として掘り下げてみるのも面白いかもしれません。



「生きること」を苦しいと感じているキャラクターに対して

・同じ苦しみを抱えるキャラクターを絡めた馴れ合い展開、命を委ねる展開、心中展開。

・または圧倒的光属性キャラクターをぶつけて、一緒に光の世界へと旅立つハッピー展開。

・はたまた、光属性に一時は癒されたものの、同じものにはなれないと苦しみ、離れることを選ぶ展開もまた良し。



生きることそのものを苦しいと感じているキャラクターの憂いの魅力は無限大です。

そこへぶつけるのは陰か? 陽か?

優しく寄り添って癒して良し。
理解や同化で馴れ合って良し。
●してくれと望まれるまま●すも良し。

どれが一番萌えをくすぐられる形でしょうか。
みんなちがって、みんないい。


R字書きの個人的嗜好を申し上げますと、
同属性同士の馴れ合い快●堕ちずぶずぶ展開おいしいです。
それだけで存在保たれてるくらい依存して。


恋愛ものは「苦」とともにあるべし。
というのが持論なので、これからいくつかの記事に渡って「苦」のバリエーションを垂れ流していきます。

基本こんな感じでとりとめもなく書いていくので、
ゆるーっとよろしくお願いします。

創作物は「苦悩」でぐっと旨味が増す

はじめまして。
二次創作でBLカップリングものの文章を書いている稲田です。


一般的に恋愛ものといえば、なんやかんやあってハッピー(orトゥルー)エンドを迎える形が多く好まれる傾向にあるのかなと思いますが
(いやまあターゲットの年齢層によって異なりはするんでしょうけど…)
二次創作界隈では、バッドやメリバも結構な割合を占めているのかなーと思います。


着地点の形はどうであれ、そうした物語に「苦悩」はつきものというか

苦悩のない恋愛話ってあるの!?

くらいに思っているのですが……
(※あくまで個人の感想です)


さて、
苦悩がまったく発生しない恋愛もの、とは。


出会う! 惚れる! 相手も同時に一目惚れ!
スペックオールクリア! すべてにおいて問題ナシ!
なんならあっちの相性も超絶ヨシ!


!!!!! ハ ッ ピ ー エ ン ド !!!!!


おめでとう!

そんなハッピーまみれの物語も、幸せいっぱいで大変よいと思います。
推しがただただ幸せに浸りまくってる話を読みたいときもあります。

ですが、自分が書くとなると技術的な問題で三行で終わってしまいそうです。


個人的には、最終的にハッピー系に落ち着くにしても
お互いのしがらみとか色んなものにがんじがらめになって
四苦八苦しながらなんやかんやで丸く収まる話を書くのが好きなのかなーと
長い腐歴を経て最近やっと気付きました。


はい出ました、四苦八苦です。


苦悩ですね。苦悩。
4苦しんで8苦しんで、なんかめっちゃ苦悩してる。どんだけ苦悩すんの。

そんなに苦しいのてんこ盛りは嫌だなーと思うんですけど
これが推しのこととなると萌えてしまうのが腐の悲しい性。


推しが自分の気持ちをコントロールできなくて苦しんで
相手にうまく伝えられなくて苦しんで
両想いになったのになんか色々あって苦しんで


たいへん! かわいそう!! ……すき!!!!


「四苦八苦」は割合メジャーな四字熟語だと思います。
Google検索窓に突っ込めば、

《名・ス自》非常な苦しみ。また、あらゆる苦しみ。仏教で、生(しょう)・老・病・死の四苦に、愛別離苦・怨憎会(おんぞうえ)苦・求不得(ぐふとく)苦・五陰盛(ごおんじょう)苦の四苦を加えた言葉。
と、これが仏教思想由来のものだというのも簡単に知ることができるのですが


結構これ(ヲタク的な意味で見て)美味しいんです よ !!!


ということで
ちょっとばかり仏教思想をかじっている稲田、その美味しさを腐女子的解釈でお伝えしたいという不純な動機ではてブロはじめました。

かなりざっくり説明からヲタ思想へ持っていく内容なので、
宗教思想として読みたい方には向かないと思いますが…

どうぞよしなに